スペイン医療システム、150万人の移行で揺れる：崩壊か、改革の兆し？

スペインの健康ランキングと医療システムの現状

2024年のBloomberg Health Rankingにおいて、スペインは世界で最も健康な国とされている[1]。その後にはイタリア、アイスランド、日本、そしてスイスが並ぶかたちだ。一方、このランキングでは2021年・2022年にもスペインがトップを維持していたが、2023年には6位へ下がった。評価基準には平均寿命や安全な水への容易なアクセス、それから大気汚染の状況や肥満率、公的・民間医療サービスの質も含まれている（同上）。
スペインの公的医療システム自体はグローバルにも高い評判を得ており、そのおかげで国全体として長寿社会となっている感も否めない。ただし現場の医療従事者によると、増え続ける患者対応や資源不足への不安がつきまとう場面も少なくないらしい。感染症流行時などは、とくに多くの病院で受入れ態勢が切迫しがちなのだ。
さらにMuface制度の変化に伴って、最大で150万人規模もの加入者が公的医療側へ移行することも見込まれていて、このことで今後一層システムに負荷が生じる懸念も拭えない。ま、いいか。

参照先: https://www.sasmadrid.org/index_php/noticias/sanidad/10955-no-habra-libertad-sin-sanidad-universal-12-01-2023

Muface制度の変更と公的医療サービスへの影響

スペインの医療体制をめぐり、特に焦点となっているのが公務員などが利用するMuface制度から公的医療サービスへの移行だ。この変化によって、最大で150万人規模の加入者が一斉に国営医療へ取り込まれる見通しもあるらしく、現場の病院やプライマリケア施設には新たな患者層が流入し、業務負担増加は不可避とされる。なお、今まさに診療時間配分や既存資源の再調整など細かな運用面で様々な試行錯誤が続いているものの、人材不足――ことに医師や看護師不足という根深い事情と重なり合うため、どうしても供給バランスに歪みが生じかねないとも語られている。ま、いいか。今後の動向次第では柔軟な対応力がますます問われそうだ。