製薬企業の利益追求と公的支援の狭間で揺れる医療イノベーション
資本主義が科学的知識、特に「エビデンスに基づく医療（MBE）」のあり方に歪みを生じさせているという見解も少なくない[3]。たとえば、強大な経済的利害が研究課題や製品の開発方向を左右し、その影響によって、本来人類が享受できたはずの技術進歩から遠ざかってしまう場面も散見されるらしい。利益至上主義の企業活動は、多くの早すぎる死や予防可能だった病気につながり、それが薬剤生産にも不可避の形で波及している[2]。そして、精神疾患領域では存在しない疾病へ新たな名付けを施し、ごく一部の薬物処方を妥当化する動きが根強く繰り返されてきた[1]。ま、いいか - そんな状況下でパンデミック発生時には製薬系グローバル企業がワクチンの大量供給で巨額利益を手にし、その収益率は銀行業界をもしのぐといわれる。この巨大集団にはEU諸国やスペイン等から公的資金によるリスク補償も提供されている実態だ。
参照先: https://www.sasmadrid.org/index_php/noticias/3046-las-vacunas-contra-la-covid-19-los-gobiernos-una-vez-mas-a-los-pies-de-las-multinacionales-farmaceuticas-11-09-2020
グローバル医薬品市場における倫理と経済の複雑な交差点
巨大な製薬会社が公的機関の支援を受けながら利益を確保している様子は、医療分野特有の複雑さを象徴している気がする。ま、いいか。例えば、研究開発段階でリスクに対する補償が事前に担保されていれば、企業側は採算割れへの心配が和らぎ、一気に製品化へ動く場面も多くなる。しかし、そのせいで利益分配の格差はさらに拡大しかねない一面も見え隠れする。実際には供給責任と利潤追求との兼ね合いから緊張状態が生じるし、費用負担の重みは往々にして納税者側へ押し付けられてしまう。また得られた知識や技術についても公開範囲は決して広くならず、ごく限られたものとなりやすい。このメカニズム自体、一見すると社会全体の安全保障にも寄与しているように映るが、長期的な視点で眺めると、公平なアクセス権や価格形成プロセスへの影響など、新たな議論を呼ぶ要素とも言えそうだよね。こうした状況下で本当に利害調整は可能なのか、今でも答えは明瞭になっていない印象だ。
