古代人が空を恐れた理由とは?天文現象と神話の関係を解説

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最近、古代の神話とか伝説について考えてたんだけど、もしかしてあれって、ただの作り話じゃないのかもしれない。特に空にまつわる話。昔の人は、なんであんなに空を恐れていたんだろう?

ストーンヘンジとかピラミッドとか、巨大な建造物が天体の動きに合わせて作られてる。これって単なる偶然じゃないよね。彼らは空をものすごく注意深く見てた。でも、それは星の美しさだけじゃなくて、恐怖の対象としても見てたんだと思う。

重点一句話

昔の神話や伝説は、ただのファンタジーじゃなくて、過去に実際に起きた天体衝突みたいな、大規模な災害の「記憶」が隠されているのかもしれない。

空から降ってくる「悪い星」

彗星って、今でこそ天体ショーみたいに言われるけど、昔はもう最悪の兆候だったらしい。ギリシャ神話、北欧神話、ネイティブアメリカンの伝承…世界中の神話で、彗星は「炎の大蛇」みたいに描かれてて、死とか災いをもたらす存在だった。考えてみれば、英語の「disaster(災害)」って言葉も、語源をたどるとラテン語で「悪い星(dis-astrum)」って意味なんだよね。面白いというか、怖いというか。

でも、なんで?あんな一瞬で消える美しいものを、そこまで怖がる必要があったのか。…もしかしたら、彼らは無意識に知ってたのかも。あれが、本当にやばいものだって。あるいは、大昔に彗星が地上に大破壊をもたらした日のことを、どうにかして覚えていたのかも。

空を引き裂く彗星のイメージ
空を引き裂く彗星のイメージ

20世紀の終わりごろまでは、正直、科学者たちも「隕石が地球に落ちてきてヤバいことになる」なんて、SFの世界の話だと思ってた節がある。でも、6600万年前に巨大な小惑星が恐竜を絶滅させたってことがはっきりして、状況は一変した。これ、もう無視できない現実なんだって。

最近の推定だと、大気圏に突入してくる大きめの隕石って、年間で6,100個くらいあるらしい。1日に17回以上。え、マジで?そんなに?ほとんどは上空で燃え尽きるらしいけど、ごく一部は地上に到達する。

記憶に新しいのは、2013年のロシアのチェリャビンスク隕石かな。あれ、広島型原爆の約30倍の威力で爆発して、1,200人以上が怪我したんだよね。もっと遡ると、1908年のツングースカ大爆発。シベリアの森、約2,000平方キロメートルが吹き飛んだ。もしあれが東京のど真ん中に落ちてたら…想像もしたくない。

こういうリスクがあるのに、備えは全然足りてない。NASAですら、危険性のある「地球近傍天体(NEO)」のうち、監視できてるのはごく一部だって認めてる。半分以上の、約50万個近くの天体がどこにあるか、まだわかってないって。正直、ちょっと怖いよね。

忘れられた大災害と「神話」という記録装置

ここで面白くなってくるのが、「ジオミソロジー(地質神話学)」っていう新しい学問。これは、神話や伝説がどうやって地質学的、天文学的な出来事を後世に伝えているのかを研究する分野。

例えば、2004年のスマトラ島沖地震の時の話。アンダマン諸島の先住民たちは、近代的な津波警報システムなんて持ってなかったのに、多くが助かった。なんでかっていうと、彼らの伝説に「海が急に引いたら、すぐに巨大な波がやってくるから高台に逃げろ」っていう教えがあったから。これって、ただの昔話じゃなくて、生きるための知恵であり、過去の災害の記録だったわけだ。

この話、日本の天岩戸(あまのいわと)伝説を思い出すんだよね。太陽神の天照大神が岩戸に隠れて世界が真っ暗闇になったっていう、あの話。これ、神様が怒ったっていう象徴的な物語として語られてるけど、もしかしたら、巨大な隕石衝突による「インパクト・ウィンター(衝突の冬)」で、粉塵が空を覆って太陽光が届かなくなったっていう、過去の出来事の記憶だったりして…?そう考えると、神話の見え方が全然変わってくる。

こういう視点で、世界中の神話をもう一回見直してみると、奇妙な一致がたくさん見つかるんだ。

ギョベクリ・テペの石柱と星空
ギョベクリ・テペの石柱と星空

どうやって神話と科学をつなげるの?

じゃあ、どうやって「この神話は、あの出来事のことだ」ってわかるのか。その一番ホットな例が「ヤンガードリアス期インパクト仮説」。これがまた、パズルみたいで面白いんだ。

約1万2800年前、地球は温暖化してたのに、なぜか急に気温がガクンと10℃くらい下がった。これが「ヤンガードリアス期」っていう短い氷期。この時期、北米のマンモスやサーベルタイガーみたいな大型動物(メガファウナ)がほぼ絶滅して、人類の人口も激減した。謎だらけの時代なんだ。

で、この仮説を唱える科学者たちは言う。「原因は、分裂した巨大彗星の地球衝突だ」と。

その証拠として、彼らは世界中のこの時代の地層から、普通じゃ見つからないものを発見してる。

  • マイクロ・スフェルール:超高温で溶けた岩石が冷えて固まった、小さなガラス球。大規模な衝突がないと、こんなに広範囲には見つからない。
  • 高濃度のプラチナ:プラチナって、地表にはすごく少ない金属。でも隕石にはよく含まれてる。この時期の地層だけ、なぜかプラチナの濃度が異常に高い。
  • ナノダイヤモンド:これも、巨大な圧力と熱がかかった証拠。

これらの地質学的な証拠が、全部「約1万2800年前」っていう一点で揃う。そして、そのタイミングが、世界中の「大洪水」や「天から火が降る」神話が語る時代と、不気味なくらい一致するんだ。

下の表でちょっとまとめてみたけど、こうやって見ると、偶然とは思えなくない?

神話と科学仮説の比較
比較項目 古代の神話・伝説 ヤンガードリアス期インパクト仮説
時期 プラトンが記したアトランティス伝説は約1万2000年前。世界中の洪水神話もだいたいこの頃。…なんか、妙に一致してるよね? 地質学的証拠が示すのは、約12,800年前。年代測定の誤差を考えたら、ほぼ同じと言っていいんじゃないかな。
出来事 「大洪水」「大地震」「天から火が降ってきた」。ギリシャ神話のパエトーンの話とか、まさに空から火が降ってきて地上を焼き尽くす話だし。 巨大彗星が分裂して大気圏で爆発。無数の破片が地上に落下して、大規模な火災と衝撃波、そして氷床を溶かして大洪水を引き起こした…とされている。描写が似すぎてる。
結果 「偉大な文明が一夜にして海に沈んだ」(アトランティス)。「人類の多くが滅んだ」。神話の中では、文明のリセットみたいなことが起きてる。 北米のメガファウナ絶滅、人類のクローヴィス文化の崩壊、そして急激な気候変動(寒冷化)。生態系と人間社会の大リセットが実際に起きた。

石に刻まれた警告:ギョベクリ・テペの謎

そして、この話にとどめを刺すのが、トルコにある「ギョベクリ・テペ」っていう遺跡。これ、ストーンヘンジより古くて、なんと1万2000年以上前のもの。しかも、作ったのは農耕を知らない狩猟採集民だったと考えられてる。なんでそんな人たちが、こんな巨大な石の神殿を?

2017年のエディンバラ大学の研究で、この遺跡の石柱に彫られた動物のレリーフが、実は星座の配置を示している可能性が指摘された。そして、その配置が示すのは…そう、約1万2800年前の空。さらに「ハゲワシ」の石柱は、どうやら地球に向かってくる彗星を表現しているらしいんだ。

もしこの解釈が正しいなら、ギョベクリ・テペはただの神殿じゃない。ヤンガードリアス期の天体衝突という、未曾有の大災害を経験した人々が、その記憶と警告を後世に残すために作った「石のモニュメント」だったのかもしれない。

そう考えると、彼らがなぜ、あれほどの労力をかけてこの遺跡を築いたのか、理由が見えてくる気がする。

神話の語り部と地層の記憶の融合
神話の語り部と地層の記憶の融合

で、結局どう考えればいいの?

もちろん、ヤンガードリアス期のインパクト仮説は、まだ科学界では論争の的。確定した事実じゃない。でもね、神話、考古学、地質学…これだけ色々な分野の証拠が、同じ方向を指し示しているのを無視するのは難しいと思う。

古代の神話は、単なる子供向けの空想物語じゃない。それは、私たちの祖先が経験した、あまりにも過酷な現実の記録であり、サバイバルのための知恵であり、そして未来への警告なのかもしれない。

正直、私たちは自分たちの文明がすごく進んでて、無敵だと思いがちだけど、宇宙っていう壮大な射撃場の中にいるっていう事実は変わらない。地球は過去に何度も打たれてきたし、これからも打たれる。それは100年後か、1万年後かはわからないけど。

だから、こういう古代のメッセージに、少しだけ耳を傾けてみるのもいいんじゃないかな。彼らが空を恐れた理由、それはきっと、空が落ちてくるのを、実際に見たからなんだ。


あなたの好きな神話は?

あなたの知っている神話や地元の伝説で、「もしかして、これも何かの災害の記憶かも?」と思えるような話はありますか?例えば、大洪水、長い冬、地面の大きな裂け目など…。ぜひコメントで教えてください!

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