コロナ感染を職業病と認定：スペインの新法令の現状と課題

スペイン政府のCOVID-19職業病認定の曖昧な現実

スペインの保健省（Ministerio de Sanidad）は、「SARS-CoV-2への暴露に対する労働リスク予防サービスの行動手順」という文書を通じて、「condición post Covid-19」と診断された専門職について、その職場環境に柔軟な対応が考慮されうることを示唆している。ただ、ここで気になるのは、Asociación Española de Derecho Sanitarioの会長であるRicado De Lorenzo氏いわく、同省によるこの公的文書自体、社会保障全国機関（Instituto Nacional de la Seguridad Social）の「社会保障管理総局」（Dirección General de Ordenación de la Seguridad Social）が従来から使ってきた「criterio 4/2021」を事実上追認する形となっている点だ。なんだかちょっとややこしい話だけど、そのことでReal Decreto Ley 3/2021本来の意味合いがねじ曲げられてしまった、と彼は指摘しているわけだ。

さて、このReal Decreto Ley 3/2021という法律にはどういう内容があるかと言うと、医療現場や社会福祉セクターで働く人々が勤務中にCOVID-19へ感染した場合は、その感染症を「職業病」とみなす――つまり、普通の病気とは違い、お仕事が原因として特別に認定されることになる（mutuabalear.es 2021-03-01）。この規定のおかげで、一定期間中に感染が確認されていて、それ用の報告書もちゃんと提出されたケースでは、「その感染は業務従事中に生じたもの」と推定される仕組みになっている（Real Decreto-ley 3/2021, 2021-02-02）。

加えて、この法令は医療検査官や社会保険制度内の医療従事者などにも補償や保護措置を拡大しようとしている。ただし──ま、ここ肝心だけど──いつどこで感染したかとか、他にも条件次第でその恩恵に制約が設けられてしまう面も無視できないんだよなあ（senado.es 2025-02-02、coma.es 2022-06-28）。ま、いいか。

本段の参照元: https://www.sasmadrid.org/index_php/noticias/sanidad/9404-una-distorsion-legal-lastra-la-adecuacion-de-puesto-por-longcovid-en-el-sns-05-05-2022

医療従事者の感染補償をめぐる制度の複雑な運用

スペインの社会保障全国機関（Instituto Nacional de la Seguridad Social）が「criterio 4/2021」を保健省として正式に追認した件について、Ricado De Lorenzo氏はReal Decreto Ley 3/2021が本来意図していた「職業病」としてのCOVID-19の位置づけがどんどんぼやけてきた、と懸念を口にしている。正直、何なんだろうね……。現場では、新型コロナウイルス感染発生時に決められた期間内できちんと報告書を提出すれば、「勤務中の出来事だった」という扱いで推定される運用になってるようだよ（mutuabalear.es 2021-03-01）。だけどさ、その一方で診断や届け出のタイミング、それから働いている形態とか、本当に色々な条件によっては思うように十分な補償につながらない場合も出てきているみたい。それゆえ、実際の運用も一枚岩とは言い難くて、現場ごとで微妙なズレが生まれている感じが否めない。いや～、こういう混沌、本当に多いよね。ま、いいか。