伝えたいことがある瞬間の気持ちとは?自分の意見を言葉にするコツとその重要性

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この間、ちょっと「うわ…」って思うことがあってさ。いや、まあ、正直に言うと「またか」って感じなんだけど。

チームの定例会議で、ここ数週間ずっと練ってきた企画を共有してたんだよね。「それで、キャンペーンの切り口なんですけど、単なる割引訴求じゃなくて、もっとライフスタイル寄りの…なんて言うか、これを持つことで得られる体験みたいな…」って話し始めた、まさにその時。

男性の同僚の一人が、食い気味に「あー、はいはい。つまり価格と緊急性でガンガン押すってことね。クリック数はそっちの方が取れるし」って。…え?全然違う。私が言おうとしてたことの、ほんの最初の部分だけをすくい取って、まったく別の話にすり替えられちゃった。

一瞬、頭が真っ白になったけど、「いえ、そうじゃなくて、私が言いたかったのは…」って割って入ろうとしたんだけど、もう彼のペース。周りも「なるほど、A案とB案でABテストしますか」みたいな感じで、完全にそっちの話になっちゃって。私の声は、もう誰にも届いてなかった。

で、10分後。今度は別の男性役員が、椅子にふんぞり返ってこう言ったの。「これさ、セール品として売るんじゃなくて、皆が憧れるようなライフスタイルの一部として見せたらどうかな?」

そしたら、さっきまでクリック数の話をしてた人たちが、一斉に「それ、めちゃくちゃいいですね!」「素晴らしい視点だ…!」って。…え、待って。それ、私が5分前に、文字通り、言ったことだよね?

もしあなたもこういう経験があるなら、この、なんとも言えない悔しさと無力感がわかると思う。自分の声がどんどん脇に追いやられて、「私の声が小さかった?説明が下手だった?それとも、私が重要じゃないから?」なんて、自分を責め始めちゃう。でもね、これって話し方の問題じゃないんだよね。そもそも、最後まで話させてもらえるかどうかの問題なんだ。

で、この「マンタラプティング」って何?

最近よく聞くようになった「マンタラプティング(Manterrupting)」。これは、男性が特に必要もないのに女性の発言を遮って、彼女の意見を脱線させたり、軽視したりする行為のこと。単なる会話のキャッチボールとか、盛り上がって話が被っちゃった、とかいうのとは、ちょっと違う。なんていうか、そこには無意識の「会話の主導権」みたいなパワーバランスが働いてる感じ。

この言葉が注目されたきっかけは、いくつかの研究。特に有名なのが、1975年のジンマーマン&ウェストの研究。これ、今から半世紀近くも前の研究なのに、すごく示唆に富んでる。31組の男女の会話を分析したら、なんと会話を遮る回数のうち96%…ってことは、ほぼ全部、男性側が原因だったって言うんだから驚きだよね。

もっと最近でも、2014年のジョージ・ワシントン大学の研究だと、男性は男性同士で話す時より、女性と話す時の方が33%…つまり3割以上も多く相手の話を遮る傾向があった、という結果が出てる。これ、悪気があるかないかは別として、そういう「パターン」が存在するってことなんだ。

会議で発言を遮られ、言葉を失う瞬間
会議で発言を遮られ、言葉を失う瞬間

アメリカの話だけど、2020年の副大統領討論会で、カマラ・ハリス副大統領が相手に遮られた時に「I'm speaking.(今、私が話しています)」って言ったのが話題になったよね。あれも、カメラの前で起きたから目立っただけで、日常では本当にどこにでもある光景。

これってマンタラプティング?見分け方と対処法

正直、毎回「これはマンタラプティングだ!」って判断するのは難しい。でも、「あれ?」って思うことが続いたら、それはただの偶然じゃないかもしれない。じゃあ、どうやって見分けて、どうすればいいんだろうね。よくあるパターンをまとめてみた。

よくあるパターン それ、どういうこと? もしやられたら?(心の声と実践)
話の途中で被せてくる うん、普通に話してる途中で「いや、それはさ」みたいに食い気味に入ってくるやつ。一番わかりやすいサインかも。 ここで黙っちゃダメ。「あ、ごめん、まだ話の途中だったから」って、冷静に、でもハッキリ言うのが大事。意外と相手は無意識だったりするし。
要約して乗っ取る こっちが話し終わるか終わらないかのうちに「つまり、こういうことでしょ?」って自分の言葉でまとめ直して、手柄を横取りする感じ。 「うまい要約ありがとう。で、私が一番言いたかったのは、その先の…」って感じで、主導権を取り戻す。手柄は渡さない(笑)。
全然違う話にすり替える こっちが真剣に話してるのに、全然関係ない自分の話や、もっと「重要そうな」話題に急に切り替えられちゃう。 これはちょっと勇気がいるけど、「その話も面白いんですけど、さっきの件を最後まで話してもいいですか?」って流れを戻す。じゃないと、永遠に話せない。
声のボリュームで潰す 物理的に、こっちの声が聞こえなくなるくらい大きな声で話し始める。議論が白熱してくると起きがち。 これはもう、同じ土俵で戦わない。「声が大きい人が勝ち、じゃないですよね。少し待ちますので」って、一回冷静にさせるのがいいかも。

あとね、私が個人的によくやるのは、部屋にいる他の人の視線を見ること。私が話してる間、みんなが私の方を見てるのに、誰かが割って入った瞬間に、全員の視線がパッとその人に移ったら、それはもう会話がハイジャックされたってこと。一度このパターンに気づくと、本当に「あ、まただ」って思うことが増えるよ。

なんで、こういうことが起きるんだろう?

もちろん、話を遮る男性全員が、意地悪でやってるわけじゃないと思う。ほとんどは無意識なんだろうし。でも、その「無意識」が、女性に対して特に働きやすいのには、やっぱり理由がある気がする。

小さい頃からの「刷り込み」って、結構根深い

これって日本だけじゃなくて、多くの文化圏でそうだと思うんだけど、男の子は「積極的に発言しなさい」「リーダーシップを取りなさい」って育てられることが多い。一方で、女の子は「聞き分けが良く」「礼儀正しく」「順番を待ちなさい」って。こういう小さい頃からの教えが、大人になってからの会話への参加の仕方を、無意識のうちに形作ってるんだよね。

無意識のバイアスが生まれる教室の風景
無意識のバイアスが生まれる教室の風景

日本だと特に、「和を以て貴しと為す」とか「空気を読む」文化があるから、余計に難しい。アメリカのビジネス書とかだと「とにかくハッキリ主張しろ!」って書いてあるけど、日本の会議でそれをやると「あの人、ちょっと強すぎるよね…」って敬遠されかねない。この文化的な違いは大きいよね。女性は「出しゃばり」だと思われたくないから、一歩引いてしまう。その隙に、悪気なく「じゃあ俺が」って前に出ちゃう男性がいる、っていう構図。

見えない「権力勾配」

会話を遮るっていう行為は、その場の「権力」の現れでもある。誰が話を聞いてもらえて、誰が無視されるかって、その瞬間の見えない序列を反映してる。役職とか年齢だけじゃなくて、「この場を支配したい」っていう無意識の欲求が、相手の言葉を遮るっていう形で出ちゃうこともある。

大学のグループワークで、すごく頑張ってた女の子が自分のアイデアを発表してた時、ある男子学生が彼女の話を遮って、ほぼ同じ内容を、もっと大きな声で言い直したことがあったの。そしたら、それまで聞いてるだけだった教授が、その彼に向かって「おお、それは面白い!」って頷いてて。彼女の顔に浮かんだ悔しそうな、諦めたような表情が、今でも忘れられない。目の前で、自分の貢献が消されていく瞬間だった。

失われるのは、自信だけじゃない

マンタラプティングって、ただイラっとするだけじゃない。もっと深刻な「コスト」があるんだよね。

  • アイデアが盗まれる、または消える:最後まで説明させてもらえなければ、せっかくのいいアイデアも評価されないまま終わる。最悪、他の人の手柄になる。
  • 自信を失う:何度も話を遮られると、「私の意見なんて価値がないのかも」って思うようになる。だんだん発言するのが怖くなる。
  • キャリアへの影響:会議でいつも黙っている人、みたいに見られたら、リーダーとして見なされるのは難しいよね。評価にも響いてくる。
  • 精神的な消耗:会話が、意見交換の場じゃなくて、自分の発言権を守るための「戦場」みたいに感じられて、本当に疲れる。

気づいたら、会議で何か言う時に「ちょっと的外れかもしれないんですけど…」とか「大した意見じゃないんですが…」って、無意識に前置きをしてる自分がいた。誰かに否定される前に、自分で自分の意見の価値を下げて、予防線を張ってたんだよね。最終的には、会議でアイデアを出すこと自体をやめちゃった。アイデアがないんじゃなくて、戦うのに疲れたから。こうやって、人は自ら黙るようになる。これこそが、マンタ-ラプティングがもたらす一番の害かもしれない。

もしあなたが「遮る側かも」と思ったら

この記事を読んで、「うわ、俺もやってるかも…」ってドキッとした男性がいたら、それはすごく素晴らしいことだと思う。自分を責める必要は全然なくて、気づくことが最初の大きな一歩だから。

もしよかったら、いくつか試してみてほしいことがあるんだ。

  • 「間」を意識する:相手が話し終わって、一呼吸。その「間」を待ってから話し始める癖をつける。意外と、相手はまだ話の続きを考えてただけかもしれない。
  • 自分のパターンをチェックする:自分が女性の話を遮る回数と、男性の話を遮る回数を、心の中で数えてみる。もし偏りがあったら、それは無意識のバイアスが働いてるサインかも。
  • 増幅器(アンプリファイア)になる:もし女性が遮られているのを見かけたら、「〇〇さんの話の続き、気になりますね」「さっき〇〇さんが言ってたこと、もう少し詳しく聞きたいです」って、助け舟を出してあげてほしい。これは、マジでヒーロー。

これは「男 対 女」の戦いの話じゃない。目的は、男性を黙らせることじゃなくて、全員が心地よく話せる空間を作ること。だから、気づいて、ちょっとだけ調整して、会話のスペースを共有する仲間になってくれたら、すごく嬉しい。

遮られた発言を、仲間が拾い上げてくれる場面
遮られた発言を、仲間が拾い上げてくれる場面

まとめ:すべての声が最後まで響くように

マンタラプティングっていう言葉は、ちょっと過激に聞こえるかもしれないけど、これは多くの女性が日常的に経験してる、すごくリアルな問題なんだ。

考えてみてほしい。遮られたことで、どれだけたくさんの素晴らしいアイデアや、面白い話、大切な視点が、世に出ることなく消えていったんだろうって。

誰かが黙らされるたびに、私たちは何かを失ってる。それは、イノベーションであり、創造性であり、知恵でもある。

だから、次にあなたが会話の中にいる時、ちょっとだけ流れを観察してみてほしい。「今、誰の声が一番聞かれている?」「誰が途中で話をやめちゃった?」「誰の意見がスルーされてる?」って。

そして、もし自分が誰かを遮ってしまったことに気づいたら、自分を責めないで。ただ、スッと話を止めて、「ごめん、続けて」って言えばいい。それだけで、その場の空気は、ずっと良くなるはずだから。

だって、誰にだって、自分の言葉を最後まで紡ぐ権利があるんだから。

ちょっと、聞いてみたいです。

あなたも似たような経験、ありますか?会議で、飲み会で、あるいは家族との会話で。「あ、それ私の話だったのに…」って思ったこと。もしよかったら、どんな状況だったか、コメントでこっそり教えてください。(もちろん、無理にとは言いません!)

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Comments

  1. Guest 2025-11-10 Reply
    この間さ、会議のとき自分の考え、どうしても言いたくて…なんか手汗やばかった。喋り始める前、ずっと頭ぐるぐるしてた。業界的に、「ちゃんと言う勇気」みたいなの、やっぱ大事だって思い知らされたなぁ。で、意見を口にする人って、本当にその場を動かしちゃうんだなって実感した。 けど正直、頭では整理できてても、それを口に出すとなんか違うものになっちゃったりしてさ。「え?今の伝わった?」って毎回自信なくなる。でも、とにかく一歩だけでも踏み出したら何かがちょっとずつ変わる感じはある。それがなんだろ…ちょっと面白い。 あーあと話、それまくる時も全然ある。でもまあそれも一応熱意ってことで…。