2024年にパリで開かれた欧州腫瘍学会（ESMO）において、ニューヨークのMemorial Sloan Kettering Cancer Center（MSKCC）の腫瘍内科医Deborah Schragが主導した研究が発表された[1]。同研究では、出典を明確にしながら50歳以上で無症状・未診断の計6,621人を対象とし、血液検査による腫瘍由来の循環腫瘍DNA（ctDNA）検出によって最大50種類のがんを早期発見できる可能性が示唆されている。全体のうち1.4%にがん徴候が見られ、この集団の38%は追加検査でも陽性結果だったという。ま、いいか。膵臓や小腸、それから胃がんなど診断しづらいタイプにも特に有用だとされ、MSKCC所属の腫瘍内科医らもこの手法の意義について再三言及しているところだ。やはり、新しい検査方法には期待感がある、と言えそうだね。
参照先: https://www.sasmadrid.org/index_php/noticias/sanidad/10430-un-analisis-de-sangre-es-capaz-de-detectar-cancer-antes-de-que-aparezcan-sintomas-15-09-2022
本研究に参加したMSKCCの腫瘍内科医によれば、ctDNAを用いたスクリーニングは、従来診断が難しかった膵臓や小腸といったがん種にも光を当てられる点が注目されているとのこと。実際、この検査方法では症状がまだ現れない段階で血液サンプルのみを分析し、腫瘍の徴候を拾うので、画像診断や内視鏡などとは異なり身体への負担も抑制できる傾向だ。ふと気になったが、現場では精度や偽陽性の管理についてさらなる検討余地も残っている。それでも、高リスク群に限らず幅広い層で導入可能性が探られているようだね。ま、いいか。
