NHS崩壊が進むイギリス医療現場と患者の困難な現実

冒頭のアクションヒント - NHSの現状で患者・家族ができる即効性アクション集

2週間以上体調不良が続く場合、公的相談窓口やGPに状況を記録して伝える
症状や待機期間を明確に伝えることで、必要な対応が早まることも
診察予約や検査結果の確認は3日に1度オンラインポータルまたは電話で追跡
連絡頻度を上げると見落とし防止や順番繰り上げの可能性も高まる
公的医療サービスに不満や問題があれば、NHS公式窓口か市民相談所で意見提出
`声`を届けておくと地域単位で改善策へつながりうる
(経済的余裕ある場合)私立クリニック利用可否を1回だけ比較検討・費用計算する
`一時避難`として選択肢拡大。次善策でも精神的負担軽減になることも

フォークが持てない夜と郵便で来た6ヶ月後の約束

もしユニバーサルヘルスケアが本当にそんなに素晴らしいものなら、うーん、どうして私は医者に診てもらえないんだろう。イギリスでは確かにユニバーサルヘルスケアが整備されているって言われてるけど、実際のところ…ああ、これ私だけじゃなくて何百万人も同じような状況に陥ってるみたい。考えてみればフォークさえまともに持てなくなった時期があって――いや、それ以前に痛みを感じずに使うなんて夢のまた夢で。夕食中だったかな、指が途中で動かなくなっちゃって、その時はもうただ呆然としてしまった。

まあ、ときどき変なこと考えて気を紛らわしたりするけど（関係ない話しそうになった、ごめん）、結局タイピングすら苦痛だったし、字を書く行為自体もほとんど無理だった。歯磨き？それだって難題になったくらいだから、自分でも腕がおかしくなってる自覚は十分あった。でも改善する気配なんてこれっぽっちも見えず…。こうなるとNHS（国民保健サービス）しか頼れるものがなくて、とりあえず電話したわけです。

オペレーターは尺骨神経（うまく発音できない…いや今はそこじゃない）の異常の可能性を指摘してくれて、「専門医への紹介ね」って言われた。その直後、本当に郵便で手紙が届いたんだよね。でも内容は「6カ月後に予約の予定です」とだけ書いてあった。他の説明や選択肢について何ひとつ触れられていないという…なんとも虚しい気分になったけれど、ま、いいか。

ロンドンじゃ救急車も来ない、笑えない家族の冗談

ページには、なんだかやる気のなさそうなタイムラインだけが淡々と表示されていた。下のほうに小さな文字で注意書きが見える。「NHS病院でプライベート診察をご希望の場合は、この番号にお電話ください」とあるけど、これ…誰が読むんだろうね、正直。いや、読まない人もいるか。ともあれ、同じ医師による同じ治療内容なのに——本当に不可思議というか、不条理というべきか——ただ違う扉を通っただけで£180（$240 USD）を支払わされることになる。不思議すぎる。でもまあ、それさえ払えば5日後には診察を受けられるって話なんだよね。</code></pre>

一方、お金を払わず待つ選択肢を取れば…半年も診察まで待たされる羽目になる。半年って長いよ、本当に。家族内でもこの件は時々冗談交じりに語られるくらい、もう笑うしかないみたいな空気になることもある。英国では技術的には無料の医療サービスが存在している、と誰もが知っているし、自分もそう思っていた。しかし実際利用しようとすると、その道のりは決して容易じゃないと感じざるを得ない時が多々あるんだよね。

例えば—これは知人の話だけど—腹痛が続いてGP（一般開業医）へ行ったものの、「特に問題なし」と言われてしまった。でも、一応念のため専門医への紹介状を書いてくれたとか。その後どうなったかと言えば、結局専門医による診察時にスキャンで腫瘍が見つかった。本当に運なのかなぁ…。また別の知人はセラピーへの紹介を受けていたっけ。それぞれ違う事情だけど、「待ち時間」について考え始めるとキリがなくなる気がする。でも――あ、今話逸れてた。うーん、とりあえず現実としてこういう事例はいくつも転がっているわけで、自分もちょっと戸惑いながら毎回このシステムと付き合っている状態かな。ま、いいか。

友人の腫瘍、セラピーへの絶望それぞれの待ち時間

そして、彼はもう…いや、正確には「長い間待たされた挙句に」か。とにかく諦めて自費治療を選んだわけだよね。1回で£200（$269）だから決して安くはないんだけど、それでもうーん、このままずっと悪化するのをただ見てるしかない状況って、なんとも言えない焦燥感だけが残る。近所の人もさ、血液検査必要になったときには何故か隣県まで車で行くらしい。それが地元より予約早いって、おかしい話だと思わない？まあ、人によるけど仕事休んで40マイル運転して行く方が、「10分枠」を5週間待つより遥かに現実的なんだとか。</code></pre>

誰に聞いても似たようなエピソード持ってるんだよね。不思議なくらい。「ああ、自分だけじゃなかった」みたいな妙な連帯感すら生まれる。でも、ちょっと脱線しちゃったけど——要は長期間待たされた経験だったり、それを横で見て苦しそうだった知り合いの姿だったり…。それだけじゃ済まなくてさ、GPや紹介状だけじゃなく救急車ですら今や数時間も到着まで掛かることがある。本当に。999番に電話しても結局誰にも会えず、その前に亡くなる人もいるって——うーん、信じたくないけど事実としてある。そしてそれは地方限定とか田舎だけの話じゃなくて、都市部や町中でも起こっていること。以前なら想像もしなかった地域なのにな。

さらに言えば救急外来でも診察受けるまで12時間待ちという事例まで出てきていて──正直もう、どうしたらいいのかわからなくなる時がある。ま、いいか。また考えてしまったけど、とにかくそんな現状なんだよね…。

血液検査は隣町へドライブ最短ルート？

たまのことじゃない。いや、本当に、毎週末とか冬になるたびに…インフルエンザが流行してる時期なんか特に、みんなプラスチックの椅子になんとなく座ってて、コートを羽織ったまま湯たんぽを抱きしめて、自分の名前が呼ばれるのをやたら静かに待ってる。あ、そういえばこの前隣のおじさんがやけに落ち着かなかったな。まあ、それはさておき、その間ずっと「もし今より症状悪くなったらどうしよう」と内心ざわざわしてる人、多い気がする。

「健康上の緊急事態を経験している患者が救急車を呼ぶことやA&E（救急外来）へ行くことで迷うべきではありません」とPatients Association最高責任者Rachel Power氏はThe Guardian紙で語っていた。でもね、現実には多くの人が受診したいと思いつつ遅らせざるを得ないと感じている、とも言うわけで。本当はこれってNHS（国民保健サービス）の単なるキャパシティ問題だけじゃなくて、公的な信頼そのものにも関係ある話なんだよね。

2024年現在、イングランドだけでも760万人以上がNHS待機リストに載っていたという数字も出ているし、およそ成人8人中1人は過去1年間で私的な治療費まで払ったと回答していて——しかもそれは別に自分から望んだからじゃなく、「ほかに選択肢なんかなかった」みたいな理由だったりする。ふう…。偶然こんな状況になったわけじゃない。それと誤解されやすいけど、これはNHSスタッフが怠惰だとかいう話では全然なくて、多くの場合本当に疲労困憊なのだろう、と私は思う。

プラスチック椅子・熱い湯たんぽ A&Eで過ぎる季節

.十分な給与が支払われていない。いや、なんでこんなことになっちゃうんだろうね、ほんとに。過重労働が続いているって話もあるし、「ま、いいか」って済ませられる状況じゃ全然ないんだけど。実はダブルシフトに呼び出されることもあって、そのたびサービスを維持するために必死で、もう精神的にも身体的にもきついという声ばかり聞こえてくる。ああ、それで思い出したけど、若手医師の中には国外への移動を真剣に考えている人も少なくないみたいで…それも無理はないよね。

看護師はフードバンクを利用しているなんて現実があるし、本当に社会としてどうなのかなと自問したくなる時がある。でも救急隊員について言えば、補充が追いつかないほど早く燃え尽きてしまう傾向が見られるんだよね。えっと…ここでちょっと話逸れたけど、とにかく現場は限界ギリギリ。

それなのに、一方では民間医療機関の事業が拡大しているというニュースばっかり流れていてさ、不思議な感じすら覚える。イギリスにおける民間病院の利益は最近過去最高となったそうだし、「何それ？」と思わず呟いてしまった。でも昔NHS（国民保健サービス）を信頼していた多くの人々ですら今や診察を受けるため自費で支払うようになってきているという現象を見ると、この国どうなっちゃうんだろう、と本気で不安になる時もある。

公的医療と民間医療の境界線は曖昧になりつつあると指摘されていて、現在、その違いは支払える金額によるものになってきたとされる場合がある――これ、本当に良いことなのかな…。システムに不具合が生じるたび誰かが利益を得ているとの指摘も絶えず耳に入るし、「ロビイストはNHSについて非効率的だ」と言ってたりするから混乱しかない。新聞などでは「肥大化している」と表現されることすらあり、おや？と思わせられる。でも実際にはNHSは10年以上十分な資金供給を受けていない状況が続いてきた、それだけは事実なんだよね。

給料日にもらえる疲労感 NHSスタッフたちの日常崩壊

予算は凍結されたままで、賃金も上限が決められている。スタッフたちはもう、なんというか、本当に限界すれすれのところで働いている感じだ。ああ、ふと思い出したけど、この話、昨日も同僚と愚痴ったっけ。で、そういう状況なのに、政府は「うまくいってないよね？もっと民間の力を借りるべきかも」なんて言い出すわけだ。でも、それって改革とは到底呼べない気がする。むしろ制度そのものが静かに蝕まれていく感じ…いや、言い過ぎかな。でも本当にそう思う瞬間がある。

実際、その変化は目立ちづらくて、とても緩やかな進行だから、多くの人は見逃してしまうんじゃないかな。それでも利益がちゃんと生まれているから続いてしまう可能性も否定できなくて…。ふとイギリスのユニバーサル・ヘルスケアについて誰かが言っていたことを思い出した。「制度自体に大きな欠陥があるというより、本来支えたい人々へ十分なサービスを届けること自体が難しくなってきている」と。なんとなく納得してしまった。

公平性や包括性という観点では、以前と比べて同じ水準を維持できていない場面も散見されるようになった気がする。うーん、これって時代の流れなのかな…いや、それだけじゃ済ませられないとも思う。ユニバーサル・ヘルスケアという発想自体は本当に意義深いし、大事な理念だと思うんだよね。例えばさ、不意に病気になった時にも——いや、この話、長くなるから一旦ここで区切るけど——その価値は色褪せない、と私は信じたい。

なぜか私立病院だけ儲ける不思議な『改革』論争裏側

医者にかかる、それ自体は誰もができるべき――まあ、実際はどうかな、と少し疑う気持ちもある。お金の多寡で治療を受けられないなんて、不条理だと思う。健康と家賃、どっちを選ぶべきかなんて問い自体、本来不要なものだよね。あ、でも現実にはそう単純じゃないという話も聞いたことがある。

多くの国々では「この原則に同意している」とされているけど、実際のところそれを完全に成し遂げている国って、ほとんど存在しない気がする。イギリスでは「無料」という言葉が使われるけれど、診察まで数ヶ月待つ羽目になる場合もざらだ。いやー…待つの苦手な人なら発狂しそう。カナダでも似たような話で、血液検査ですら数週間かかったりするし、MRI検査となれば何ヶ月も待たされる可能性すらある。

うーん、一方でヨーロッパの多くの国々では迅速なケアが提供されているみたいだけど、そのためには非常に高額な税金を課して維持しているという現実もあるわけだ。でもさ、そのように機能しているシステムですら今や強い圧力にさらされていて、高齢化社会が進むにつれて、人手不足やコスト増大が資金調達のペースを上回ってしまっている。

あっそういえば――イギリスで医療体制が厳しくなるたびに民間セクターが介入する場面を見る。でもね、その目的って必ずしも助けるためとは限らなくて…なんというか、大丈夫なの？って思ったりする。本筋戻すと、とにかく色んな矛盾や問題点がぐるぐる巡っていて、この先どうなるんだろう、と考え込まずにはいられない日々だ。

理想と現実イギリスとカナダ、そして高税負担の国々も迷走中

しかし、利益を得るためには…いや、その話はちょっと置いといて、ユニバーサルヘルスケアというものは理論的にはやっぱり良さそうに見えるんだよね。でも、現実ってそんなに単純じゃなくて。えっと、これがまともに動くためには、それを支えるインフラの構築や維持が不可欠なんだ。資金も要るし、人材も確保しなきゃいけない。うーん、それだけじゃ足りなくて、短期の選挙とかに振り回されないで長期計画を考えられるような政府だって求められるわけ。

ま、いいか。とにかく、「ユニバーサルヘルスケア」という言葉だけ信じても仕方ないってこと。肝心なのは、それを守り抜いていく姿勢がいるって話になっちゃうんだよね。私自身、NHS（国民医療サービス）への信頼は今でも残っているんだけど、それは別に「今現在ちゃんと機能してるから」では全然なくて…。むしろ、ごく稀少な約束の上で設立されたからこそ信じてると言ったほうが近い。

「人の命が収入によって決まるべきじゃない」とか、「医療は商品扱いしちゃダメだ」とか、一部のものごとは誰にも公平で、状況関係なく提供されるべき——ああ、こういう理念ね。それ自体は本当に守る価値があると思う。ただね、その理想と現実との間にできた溝――これについてずっと目を逸らすのは正直もう限界かな、と感じ始めている自分がいる。ああそうだ、私の知り合いたちも、多くは一度くらい民間医療サービスを利用したことあるみたいで…。なんかそれって象徴的というか、不思議な気持ちになるよね。

一度きりと思った私費治療でも続く『今回だけ』ループ

裕福だったわけじゃない。望んだわけでもない。ただ、他に逃げ道がなかったように思っただけ。なんか、痛みとか不安とか、もう疲れきってる感覚でさ——診察を何ヶ月も待つ余力なんて、とても無理。でもまあ…結局払っちゃったんだよね。たった一度だけ、この一件のために。でも、不思議とまたそれが繰り返されることになるとは思ってもみなかった。

えっと、話逸れるけど……いややっぱ戻ろう。英国の医療制度は、ほんとうに少しずつ変わり始めている気がする。それなのに政策も議論も脇に置かれて、一つの民間検査とか、一回限りの民間紹介、それぞれの人の小さな選択で静かに進行しているらしい。不意打ちみたいな感じだよね。そして最後には、「ご覧ください」と担当者が言う未来もある……たぶん、ね。

扉にはPRIVATE 人生を値札で測る社会になっていく

「もう誰も使わなくなった」なんて言われたりするんだけど、実際のところ私たちは今もできるだけ利用してるんだよね。まあ、使えるときにはちゃんと使うし、動いてさえいれば頼ってしまうこともある。ああ、それに待ち時間がそれほど長くなかったり、クリニックが遠すぎなかったり、痛みが何とか耐えられる範囲だったりしたら、そのまま利用することも多い。

……あれ？今思えば、この前駅前で友人に会ったとき、「まだ通ってるの？」なんて聞かれて少し戸惑った。やっぱり世間的にはもう時代遅れと思われているのかな。でも、本当に必要なものは簡単に手放せないよね。

それで――話を戻すけど――もしその仕組みがうまく機能しなくなると、なんとなく孤独感というか、自分だけ取り残される感じになっていく気がする。別に医師や看護師を責めたいわけじゃないし、民間サービスを選ぶ人にも特別何か思うわけでもない。

実はそうでもなくて…根本的な原因は、多分ずっと続いてきた社会の変化にあるんじゃないかなと思う。公共システムから資金やケアがじわじわ外へ流れて、その一部は医療を事業として見る人たちの懐へ吸い寄せられていった。それこそ英国ではっきり見えてきた（他国でも似たようなものかもしれない）、ユニバーサルヘルスケア本来の姿とは必ずしも重ならない状況が生まれているみたい。

ま、それって結局「プライベート」と札の掛かった扉が並ぶ待合室みたいなものなのかな。そのドアを開けるには費用という鍵が要る…そんなふうにも思える日々だよ。