コロナ禍における自治体の情報公開の課題
スペインでCOVID-19パンデミックが始まった頃、アラゴンやカスティーリャ・イ・レオン、それにガリシア、ムルシア、ビスカヤ、ギプスコアの各自治体は、高齢者施設ごとの死亡者数について情報公開法にもとづく請求があったのに、なかなかそのデータを明かさなかったんですよね。あと、アストゥリアスも最初の数週間は数字が出てこなくて、正直もどかしい気持ちになりました。ま、いいか。ただ、一部の自治体――具体的には6つとアラバ県なんですけど――は透明性に関する当局の勧告を受けた後にようやく公表に踏み切りました。そしてナバーラでは州政府が公開を決めたものの、ごく一部施設から行政訴訟が提起されてて、その件は今まさに司法判断待ちって状況です。なんだかんだ言っても規定通りきちんと情報提出したのは、アンダルシーア州やカタルーニャ州、それからイレス・バレアレス州とマドリード州だけでした。いやぁ、市民生活に直結する重大事項なのに、「透明性」というハードルは思ったより高いってことが、今回の一連でよく見えてきましたね[3]。
参照先: https://www.sasmadrid.org/index_php/noticias/sanidad/4333-cinco-gobiernos-autonomicos-y-dos-forales-siguen-ocultando-en-que-residencias-hubo-fallecidos-durante-la-primera-ola-07-01-2021
透明性をめぐる複雑な現実と制度の限界
透明性って大事だよね……でも、実際は自治体ごとに対応がまちまちだったのが気になるところ。例えばさ、アンダルシーア州とかカタルーニャ州みたいな地域は決められた手順通りすぐに情報を出してたんだけど、他の多くのエリアでは公開まで時間かかったり、一部しかデータが見られなかったりして、結構不十分な印象だったかな。何でそんな違いが出てきたかというと、担当部局内で調整に手間取ったとか、個人情報とのバランスに悩んだケース、それから現場職員への余計な負担を避けようとした――なんて理由も指摘されてるみたい。そのうえナバーラ州では少数とはいえ高齢者施設から行政訴訟も起きていてさ、このあたりは今の制度自体に弱点や不安定さがある証拠と言えそう。こういった一連の事情を眺めていると、「法的規定」そのものは存在してても、結局現場には色んな事情や価値観のぶつかり合いが混ざっていて、一筋縄じゃ片付かない複雑さが残ってるんだよね…ほんと難しい話。
