スペイン政府、自己検査陽性の集計に地域間の不一致が発生

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スペインのCOVID-19データ報告の現場の混乱 〜自治体ごとに異なる統計処理の実態〜

カディナSERが伝えたところによると、スペインでは2021-12-30から、自己診断用オートテストで陽性になったケースもCOVID-19感染として公式にカウントするという方針で政府間合意ができたそう。でも、実際には11の地域でそのルールが徹底されてないっぽいです。中でもコミュニダ・デ・マドリードやアンダルシアみたいな大きい自治体が含まれていて、この2つでは多くのオートテスト陽性者が保健省への正式報告から外れてしまってるんだとか。その一方で、なぜか労働者の病欠手続きにはそのオートテスト結果が認められてる――いやちょっと変な感じしません?まあ仕方ないか。

それと、マドリードは2021-12-21以降、カタルーニャは同年末くらいからオートテスト陽性を確定症例として扱い始めているらしいけど、その数自体を国全体に上げていない様子。困ったことに保健省は「どんな種類の検査でも医療機関で判明したすべてをSIVIES経由できちんと報告しようよ」と自治体に呼び掛けていて[El País 2021年]。けどまだ状況改善はスムーズじゃない印象です。

あとね、一部の地域ではPCR検査など医療資源を優先させたり、それぞれ統計の取り方にも差異(あえて古風に言えば齟齬)があるらしく、その影響で発表された数字も全国集計には遅延したり抜け落ちたりすることも生じちゃっているとのこと(ElPlural)。まあ正直、「統計値」に振り回されず様子見するしかないタイミングなのかもしれません。

参照先: https://www.sasmadrid.org/index_php/noticias/sanidad/8419-andalucia-admite-que-oculta-a-sanidad-dos-de-cada-tres-positivos-22-01-20232

保健省の通達と現実のギャップ 〜感染報告システムの曖昧さを追う〜

政府レベルで方針が決まったとしても、実際の現場運用は自治体ごとにまちまちで、そこがけっこう目立ってきている印象です。なんかね、カディナSERの報道でも言われていたんですが、一応スペイン保健省は「すべての陽性例をSIVIESにまとめて報告して」ってお達しを出してるんですよ。でも実際には、マドリード州とかアンダルシアみたいな主だった地域でさえ、正式な数字からこぼれ落ちてしまうケースが時々あるみたい(わたしも完全には掴み切れてない部分ですが)。このばらつきって単なる手続きミスとかじゃなくて、それぞれの地域ごとに持ってる判断基準や医療リソース配分の優先順位による違い――まあ、それが根っこらしいんですよね。そのせいか、「これ、本当に信頼できる公式データなの?」とか「情報伝達スピード大丈夫かな…」って不安になる場面も増えてる感じします。ま、いいか。

保健省の通達と現実のギャップ 〜感染報告システムの曖昧さを追う〜

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