見過ごせない日本の子供の貧困。最新データで見る原因と「7人に1人」という実態

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「日本の子供の7人に1人が貧困」って、もう何年も前から聞き続けてる言葉ですよね。正直、ちょっと聞き飽きたというか、数字が大きすぎて現実味がなかったりしませんか?僕もそうでした。でも最近、この数字って今どうなってるんだろう?って気になって調べてみたら、いろいろ見えてきたことがあるんです。

今日はその辺の、ちょっとごちゃごちゃした頭の中を整理する感じで、書いてみようと思います。難しい話は抜きにして、今の日本の子供たちが置かれてる状況って、実際どうなの?っていう話を。

「7人に1人」はもう古い?最新データを見てみたら…

まず、あの有名な「7人に1人」っていう数字。これ、だいたい14%くらいなんですけど、元をたどると2012年とかの調査だったりするんですよね。 じゃあ今はどうなんだと。厚生労働省が出してる一番新しい「国民生活基礎調査」の結果を見てみると、2021年時点で子供の相対的貧困率は11.5%でした。 2018年が13.5%だったから、数字だけ見れば「お、改善してるじゃん!」って思いますよね。 7人に1人から、だいたい9人に1人くらいになった計算です。

でも、ここで「よかったね」で終われないのが、この問題のややこしいところ。そもそも「相対的貧困」って何?って話なんですけど、これは「国や地域社会の大多数よりも、著しく低い所得水準で暮らしている状態」のこと。 具体的に言うと、日本に住んでる人みんなの可処分所得(税金とかを引いた手取りね)をずらーっと並べて、その真ん中の人の金額の、さらに半分の額に満たない世帯を指します。 2021年の調査だと、このボーダーライン(貧困線)は年収127万円。 アフリカのどこかの国みたいに、今日食べるものもない、っていう「絶対的貧困」とは違って、周りのみんなが当たり前にできていることができない、っていう状態なんです。

で、なんで11.5%に下がったのに手放しで喜べないかというと、この調査期間(2021年)って、コロナの特別給付金とかがあった時期なんですよね。 だから、一時的に収入が増えて、数字の上では貧困ラインをギリギリ超えた世帯が結構あったんじゃないか、って専門家は見てるわけです。 でも、その後の物価高とか光熱費の値上がりとかは、この数字には反映されてない。 だから「数字はマシになったけど、生活実感はむしろキツい」っていう声が現場からはたくさん聞こえてくるんです。

貧困の連鎖という、見えない重荷を背負って梯子をのぼる子供のイメージ
貧困の連鎖という、見えない重荷を背負って梯子をのぼる子供のイメージ

原因は「お母さん」だけじゃない。見過ごされてる現実

子供の貧困って聞くと、多くの人が「ひとり親、特に母子家庭が大変なんだろうな」って想像すると思います。それは、間違いじゃありません。最新のデータでも、ひとり親世帯の貧困率は44.5%と、めちゃくちゃ高い。 ふたり親世帯の8.6%と比べると、その深刻さが際立ちます。 ここでちょっとショッキングなのが、日本のひとり親世帯って、すごくよく働いてるんです。就業率はOECD(経済協力開発機構)の加盟国の中でもトップクラス。 なのに、貧困率は一番高いグループに入っちゃってる。 これってつまり「働いても働いても豊かになれない」っていう構造があるってことですよね。

でもね、僕が今回注目したいのは、そこだけじゃないんです。実は最近、貧困率が改善した大きな要因は「ふたり親世帯」の貧困率が下がったことだ、という分析があるんです。 それでも8.6%もいる。これって、お父さんもお母さんもいるのに、なぜ貧困なんだ?って話です。

原因としてよく挙げられるのが、やっぱり非正規雇用の問題。 両親が共働きでも、二人ともパートや派遣だと、収入はなかなか安定しないし、ボーナスや退職金もない。子供の教育費がかさむ時期に、どちらかが病気で倒れたり、シフトを減らされたりしたら、あっという間に家計は火の車です。コロナ禍で困窮したのは、ひとり親世帯だけじゃなく、こういう「ふたり親のワーキングプア世帯」もだった、という指摘もあります。 問題の根っこは、単に「ひとり親だから」っていう単純な話じゃなくて、もっと広く、日本の働き方そのものに繋がってるんですよね。

当たり前の食卓と、貧困の中にある食卓の対比
当たり前の食卓と、貧困の中にある食卓の対比

で、「貧困」って、結局どんな感じなの?

数字ばっかり見てても、いまいちピンとこないですよね。じゃあ、相対的貧困の状態にある子供の生活って、具体的にどんな感じなんでしょうか。想像力をちょっと働かせて、僕なりに「当たり前」と比べてみました。

みんなが「当たり前」と思ってること 貧困の中だと、こうなる(かもしれない)
学校生活
みんなで林間学校。部活に入って、友達と汗を流す。
参加できない「壁」
「積立金が払えないから…」って、修学旅行を諦める。ユニフォーム代や遠征費が出せなくて、やりたい部活に入れない。
食事
晩ごはんは家族で食卓を囲む。たまには外食も。
栄養は給食だのみ
「1日で栄養バランスのとれた食事は給食だけ」なんてことも。 親が夜遅くまで仕事で、一人でご飯を食べる(孤食)のも日常。
学習
わからない所は塾で聞く。大学進学は当たり前の選択肢。
学びたくても学べない
塾や習い事なんて夢のまた夢。 家にパソコンがなかったり、参考書一冊買うのもためらったり。結果、進学を諦めざるを得ないことも。
体験
夏休みは家族旅行。友達の誕生日会に呼ばれる。
思い出の空白
旅行なんて行ったことがない。友達の家に遊びに行くのも、プレゼント代とか気にして躊躇しちゃう。そういう「体験格差」が、自己肯定感をどんどん下げていくんです。

こういうのって、単に「可哀想」って話じゃないんです。こういう経験の積み重ねが、「どうせ自分なんて」「うちは他と違うから」っていう気持ちを子供心に植え付けてしまう。 将来の夢や希望を持つこと自体を、難しくさせてしまう。これこそが、貧困の一番怖くて、根深い問題なんだと思います。

じゃあ、何か変わったの?できることはある?

もちろん、国も手をこまねいているわけではありません。「子どもの貧困対策の推進に関する法律」っていうのがあって、それに基づいていろんな支援が行われています。 例えば、教育費の負担を軽くするための就学援助や高校授業料の実質無償化、大学の修学支援新制度とか。 生活が苦しい家庭の相談に乗ったり、親の就労を支援したりする窓口もあります。

もっと身近なところだと、「こども食堂」の活動がすごく広がっていますよね。 あれは単に温かいご飯を提供するだけじゃなくて、子供たちの居場所になったり、地域の人と繋がるきっかけになったりする、すごく大事な場所です。他にも、NPOが無料の学習支援教室を開いたり、企業や個人が寄付で支える「こどもの未来応援基金」みたいな仕組みもあります。

ただ、問題は、本当に支援が必要な家庭に、その情報が届いていなかったり、周りの目を気にしてSOSを出せなかったりすること。 だから、ただ制度を作るだけじゃなくて、こっちから手を差し伸べる「アウトリーチ」っていう考え方がすごく重要になってきています。

たった一つの、古びた子供靴が物語るもの
たった一つの、古びた子供靴が物語るもの

正直、これって他人事じゃないんだよなって話

ここまで書いてきて、改めて思うんです。子供の貧困って、遠いどこかの国の話でも、テレビの中のドキュメンタリーだけの話でもない。すぐ隣で起きている、日本の現実なんだって。そして、これは「自己責任」っていう言葉で片付けられる問題じゃない。

だって、生まれ育った環境は子供には選べないじゃないですか。経済的な理由で、学ぶ機会や挑戦する機会を奪われて、将来の選択肢が狭まってしまう。 それって、その子個人にとって不幸なだけじゃなくて、社会全体にとって、ものすごい損失だと思うんです。 42.9兆円もの社会的損失になる、なんていう試算もあるくらいです。

今、貧困の中にいる子供たちが、20年後にこの社会を支える大人になる。その時、彼らがもし希望を持てずに、自分の可能性を信じられないままだとしたら…日本の未来って、正直、かなり暗いんじゃないかなって。だから、この問題は、子供がいない人にとっても、今の生活に満足してる人にとっても、決して他人事じゃないはずなんです。

僕たち一人ひとりが、まずはこの現状を知って、「うちの地域はどうなんだろう?」って関心を持つこと。それが、大きな一歩になるんじゃないかな、なんて思ったりします。


あなたはどう思いますか?

もし、子供の貧困をなくすために、たった一つだけ、すぐにでも始められることがあるとしたら、それは何だと思いますか? 小さなアイデアでかまいません。ぜひ、あなたの考えを聞かせてください。

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